ガラスコーティング済みの車は高く売れる!?
中古車査定の現場で様々な車を査定してきましたが、きれいな車ほど好感印象です。ガラスコーティング未施工車と比べてガラスコーティング施工車は、きれいな状態を保っていた場合、査定価格が高くなる傾向にあります。中古車で車を購入する場合、小傷が目立つ車より、艶やかな光沢があるきれいな車に好感を得るのは事実です。
今回は、ガラスコーティング施工車の査定価格が高くなる理由や、査定の際のチェックポイントについて査定経験者でもある筆者が詳しく紹介します。
車の査定の方法とは
車の買取価格や下取価格を決める際に査定が行われます。
車には基準価格があり、毎月更新されます。車種の年式、グレードによって基準となる価格が決まっています。例えば基準価格が90万円なら90万円が査定の際のスタート価格になります。
査定価格は減点方式で決まる
車の査定価格は、基準価格から傷、色あせ、修復歴など減点方式で決められます。加点になるのは無傷加点と無減点加点のみです。無減点とは、1cm未満の小傷しかないことが条件です。
査定士は、車の外観を確認し修復歴の有無、修理歴の有無、傷の状態、塗装の状態など細かく査定します。車内もシートの汚れやハンドルの擦れ、臭いなどを確認します。
修復歴は、車の骨格部分の修理を行っている場合「事故車」扱いになりますが、骨格部分でないドアやフロントフェンダーの板金塗装歴がある場合もパネル単位で減点されます。
ガラスコーティング済の車は減点数を少なく出来る
ガラスコーティングを施工して、定期的に洗車を行い汚れを落とし、メンテナンスを行うことで、ボディの色あせや落ちない汚れの付着を極力防ぐことが出来ます。
査定は減点方式であり、減点されないことは、減点されるより高く売れることになります。例えば、A4の用紙サイズ以上の大サイズと呼ばれる色あせは、3万円のマイナスになります。
査定の加点は、無傷加点4万円と外装無減点加点2万円のみです。無傷加点はムリでも、外装無減点加点は狙えます。
1cm未満の小キズは無減点になりますので、小キズ少々のみなら外装無減点になります。
実際どのくらい差が出るの?
車の状態は、車によって様々です。
色あせ大1か所(3万円)、カードサイズまでの小キズ2か所(2万円)、小キズ1か所(2万円)ある場合は減点7万円になります。
無減点加点車の加点2万と減点7万円車とでは9万円の差が発生します。
ガラスコーティングの施工価格が約6~10万円ですので、新車時にガラスコーティングを施工し、しっかりメンテナンスを行いきれいな車であれば、十分に元を取れる計算になります。
黒やパールホワイトの人気色は、きれいな車ほど更に売りやすくなります。買取店競合することにより、査定価格よりさらに高い価格で買い取ってもらえる可能性もあります。
車のガラスコーティングは手段でありボディの状態が良好なことが条件
車を新車で購入した際に、ガラスコーティングを施工し、5年間乗りっぱなしのため、落ちない汚れが付いていたり、コーティング被膜が剥がれていたり状態が悪い場合は、査定時に減点されます。
ガラスコーティング施工車が全て高く売れるのではなく、ボディの状態がきれいな状態であることが高く売れる条件です。
なぜガラスコーティングがきれいに保つ手段なの?
ガラスコーティングは、車の塗装面を強固なガラス被膜でコーティングします。洗車時のキズに強く、キズや汚れが付きにくく、汚れが付着しても水洗いまたは、中性のカーシャンプーできれいに落とすことができます。
普段から汚れを落とし、定期的なメンテナンスでコーティング被膜の状態を良好に保つことで、キズが付きにくくきれいな状態を長期間保つことができます。
ワックスやポリマーコーティングできれいなボディをキープしている方もいます。しかし、3か月~半年に一度施工する必要がある他、ガラスコーティングのように強固な被膜が無いため、洗車キズなどの小キズが付くリスクは回避できません。
ガラスコーティングは、キズや汚れが付きにくい車、車をきれいに長持ちさせたい方におすすめです。
修復歴有の車は査定で減点対象
車にガラスコーティングを施工し、きれいな状態であっても、修復歴がある場合には、無減点加点車の加点はありません。逆に板金、部品交換の減点があります。「事故車」となるような修復でなくても、板金・塗装歴の減点があります。パッと見てわかならなようでも、査定士が見ると再塗装した塗装面はわかります。
事故車ではないが、修復歴があっても、ボディの状態がきれいな車は、汚い車よりは高く売れます。きれいな車は買い手にとって見た目の印象が良いため、有利になります。
まとめ
ガラスコーティングを施工し、洗車とメンテナンスを行いきれいなボディの車は、加点されることもあり高く売ることができます。
きれいなボディを保つことで、ガラスコーティングの施工費用は売却時に十分回収可能です。ガラスコーティングは、車をきれいに保つためのおすすめな手段です。
しかし、ガリ傷が多い、ガラスコーティングを施工しても乗りっぱなしで汚い車の場合は、高額査定は期待できません。