晴れた日は洗車に向いていない?洗車時はどのような事に気をつければいいの?洗車ソムリエ協会代表理事、尾島康弘氏に聞くコーティング車両への正しい洗車。今回は（前回に引き続き）、ガラスコーティングされた車の洗車のコツについて伺いました。
まず、実際に洗車する際の環境についてお話します。まず、炎天下の日中は避けてください。晴天の日を洗車日和だという方がよく見受けられますが、これは誤った認識です。気温が20度を超えるような晴天の日中下では水が速く乾いてしまい、ウォータースポットの原因になります。また、風通しのよい所もダメです。同じく水が速く乾燥し、水シミの原因になります。洗車に最適な環境は、最低でも三方向がかこまれていて、直射日光の当たらない場所です。時間帯も朝や夕方、曇りの日など日の照っていない時間帯を選んでください。洗車後車に水分を残さない、自然乾燥させないという意識でやってください。そのために手早く行っていくことが大事になります。
洗車をする際の手順について、大まかに分けると、車体表面の砂ほこりを払う、洗車洗剤で油汚れを落とす、そして最後に水切りをするという3つの工程に分かれます。 それぞれ、いくつかのコツを抑えるだけで、洗車後の仕上がりが変わってきますので、その点に注意して試してみてください。
まず車体表面の砂埃を落とす工程です。ここでのコツですが、しっかり砂埃を落とすことです。砂埃は水で流していきます。ただし、その際は高水圧ガンを使ってください。ホースで水を流しただけでは、表面の砂ホコリは落としきれません。圧の高い水流で車全体の砂埃をしっかり落とされている事が実際に車体を洗い始めるための大前提です。
砂埃を落とした後は洗車洗剤を使って表面の油汚れを落としていきます。
洗車洗剤はボディの表面に乗っている油分を包み込み浮かしてくれます。この油分をつかみこんだ洗車洗剤を洗い流していくのですが、その際手を回すようにこするのはやめてください。必ず1方向に流すように手は動かします。
この工程は洗車用のムートンを使うことをお勧めします。ムートンの毛羽はやわらかく、砂などを繊維の中に巻き込んでいってくれますので、車体を傷つける事なく綺麗にしてくれます。手元にムートンがない場合は、スポンジやモップ状のタオルなどでもいいかもしれません。ただ、どちらもムートンほどは砂を巻き込んではくれません。マイクロファイバーで洗車する方もいるかと思いますが、あれはちょっと微妙な所です。ちょっと薄すぎるんです。そのため洗車中にボディに押し当てたとき、中の砂がボディに触れ、細かい傷になる場合があります。5枚くらい重ねてやるならマイクロファイバーでもいいかもしれませんが・・・あまりおすすめはしません。
ボディを洗い終わったら、最後に水切りです。必ず天井から仕上げてください。水は車体の上面から乾燥していきます。つまり車体の最上面にあたる天井は、真っ先に乾燥し、水染みになりやすい場所だということです。そのため、まずは天井から仕上げてください。天井を拭き上げたら反対側の天井、次いでボンネットとトランクと言うように上から順番にやっていきます。
ただし、拭き上げに綿タオルを使うのはいけません。綿タオルのほとんどは繊維がループ状に編み込まれているため、繊維としては硬く、車体を傷つける可能性があります。
マイクロファイバーなどはいいですね。柔らかく、また編み込んだ糸のトップを切って毛羽立たせてある布ですので、表面を傷つける事なく水切りできます。洗車用セーム革でもいいと思います。しかし、同じように柔らかい布でもフェイスタオルなどはおすすめしません。柔らかすぎて毛羽立ってしまい、その毛羽が、ボディに残ってしまいます。
水切り後は、シリコーン撥水剤などの光沢が出るものを塗るのもいいですね。元々コーティングに施されている犠牲被膜の上に、さらに犠牲被膜を作ることになるので、より汚れが付きにくくなります。シリコーン撥水剤でしたら、シリコーンが表面に載っているだけですので、コーティングを傷める事もありませんし。
コーティングされている車に対してはその後何かを塗ったりしない方が多いのではないかと思いますが、実際はしっかりと表面に乗ります。もし乗らないなら汚れる事もありませんよね。汚れは大気中の排ガスなどの油なんですから。
ここまでできたらあなたの洗車は完璧です。
